熱
ヤンキー先生こと義家弘介さんを知ったのは、本好きの友人が彼の本を薦めてくれたからだ。
彼女は様々なジャンルの本を読んでおり、その幅広さには敬服している。私は乱読といいつつ、
かなり読書傾向に偏りがあるんだよね。今日は、徹子の部屋に義家さんが出るので、興味津々
だった。彼も元ヤンなので、もっと厳ついタイプだと思ってたら、へぇ~、こんなカワイイ顔してる
んだとオドロキ(笑)。ガラスのように繊細な元少年といった風情。彼が0歳の時に、両親が離婚。
父に引き取られ、ずっと祖父母に育てられたので、母を知らない。本人曰く、取り返しのつかない
過去を持ち、「消えてなくなりたい。消滅したい」と願った10代。社会に噛みついていたかったので、
記者か弁護士になりたかったとか。大学時代、未空弟1号のように、交通事故で内臓破裂し、生死
をさ迷う。目を開けると、高校時代の担任の女性教師が、北海道から有給休暇を使って、病院まで
駆けつけてくれていた。まるで母親のようにオムツまで替えてくれて、何かと気遣い励まし、優しく
看病してくれた。激痛にのたうち回りながら、死なせてくれと叫ぶと、「あなたは私の夢だから」
と言ってくれた。その一言で、生まれて初めて「生きたい!」と心底思った。「俺はその一言で、
これからも一生、生きられる」と思った。そして恩師のいる高校で、先生になる事を決意する。
複雑な生い立ちを聞きながら、義家さんにとって「先生」という職業は、お役目なんだと思った。
静かに熱い人だよね。最後に、「子供達に強力な光を当てると、必ず闇ができます。その闇こそ
が青少年問題なんです。だから、自分は熱になりたい。まっすぐな情熱しか伝わらないんだと
思います。熱は闇の中でも伝わるから」。このセリフにグッときてしまった(泣)。私は超おこがま
しくも、光になりたいと思っていた。闇の中の一筋の光、希望の光。でも、それは一歩間違えば、
私の自我が作り出す強力なスポットライトであり、単なる自己満にすぎないんじゃないか。結局は、
私が目立ちたいだけ? 光は目に見えるが、熱は目に見えない。でも、確実に伝わってくる。ヤン
キー先生は、この事を生徒を通して学んだんだ。改めて魅力的な人だね。夜回り先生の水谷修
さんといい、体を張った救世主的な先生が、こぞって世に出てきた感じがするよ。私も熱になり
たい。な~んて思ったら、バリのお土産が届いた。それも、キャンドル・グラス! これもある意味、
深いところでシンクロだよね。Kさん、おかえりなさい。ウブドは「ロータス・カフェ」と記憶していた
のですが、「カフェ・ロータス」でしたか。わざわざお写真をどうもありがとうございます。まだ健在
だったんですね。思わずうるうるしちゃいましたよ。バリはもう15年近く前になりますか。ウブドでの
朝食は、近所の小さな安いレストランで済ませ(新鮮な卵で作ったサンドイッチが絶品)、午後の
お茶の時に「カフェ・ロータス」に行ってました。何時間でもいられるんですよね。あーっ、今すぐ
バリに行きたーい! このキャンドル・グラスは、バリに魅せられたフランス人が作ったインテリア
雑貨のお店で求めた物だとか。テリマカシー♪ すっごーくうれしいです(号泣)。しばらくの間、
見えないキャンドルの穏やかな光を、優しいぬくもりを、そっと感じてみる。シアワセなひととき。