ガッツポーズ
金メダルを取って、あまりのうれしさに、ピョンピョン飛び跳ね、ガッツポーズをする
柔道の女王。よっぽどうれしかったんだろうなぁ。うんうん、おめでとう!ってゆーぐ
らいにしか見ていなかった私。そこへ「武道にガッツポーズはありません」という話を
聞いて、そっかーと思った。雄叫びを上げたり、ガッツポーズをしていいのは、スポーツ
の世界であって、「道」と名のつくものは、明らかに違うのだ。アテネオリンピックを見て
いても、柔道の選手は勝った瞬間、ガッツポーズをとり、審判に最後の礼をきちんとする
ように、たしなめられてる姿を見た。日本の柔道は、1964年の東京大会から、オリンピック
競技として実施された。エスニック(民族的)な伝統競技を、国際社会に普及させる場合、
簡素化、ルール整備は避けられないだろう。夏季オリンピックの競技になるためには、
少なくとも男子で4大陸、女子で3大陸、40ヶ国で行われているという事が条件なんだそうな。
柔道が経験したように、伝統的な競技を国際化する事は、その競技の変質も覚悟しないと
ならないんだよね。ガッツポーズなんて、その典型でしょ。そのリスクと国際化のメリットを
天秤にかけて、その民族の文化の一端を世界に広める事の魅力は、やっぱ大きいんだ
ろうね。実は、太極拳にもそういう動きがあり、ルールを整え、五輪採用を狙っている。
太極拳は、130種類はあるといわれる中国武術の中で、最もポピュラーな存在だからだ。
日本では、「武術太極拳」の名前で知られている。競技となれば、「ムリをしない・がん
ばらない・人と比べない」という太極拳の本質から外れ、「ムリをして、がんばって、人と
比べて」メダル取りに血眼になる。それでイイんかいな? 太極拳も「道」なので、ガッツ
ポーズはないんだよ。でも、勝てばやるんだろうね、きっと(泣)。武道は礼に始まり、礼に
終わる。「強い弱いでなく、自己が常に最善の状態でいられるという事、それが武道です」
と合気道の達人・塩田剛三先生が著書の中で述べている。日々、最善の状態でいられる事
が武道の本義であり、その場その場において、最善である事が修行なのだ。これでいい。
これがいい。太極拳を決して、競技化してはいけない。私もS先生も、そう思い続けている。
♪今日のMAHALO(ありがとう) ハワイ島のDennisからBirthday Cardのお礼が! カナダに住む友人と同じ誕生日なんだよね。