特需
トマホーク発射数は、すでに湾岸戦争を上回るらしい。米空母キティホークの広報担当者は、イラク戦争が開始された20日
未明から22日朝までに、ペルシャ湾や紅海に展開する米英艦船計30隻から、イラク領内に向け、約350基の巡航ミサイル
「トマホーク」が発射された事を明らかにした。すでに、91年の湾岸戦争時の288基を上回るハイペースだという(泣)。
23日付の米紙ワシントン・ポストは、複数の米政府高官の話として、ブッシュ大統領がイラク戦争の戦費調達のため、
800億ドル(約9兆7000億円)程度の補正予算案を、24日にも米議会指導部に提案すると報じた。大統領がイラク戦の戦費
見通しについて、明らかにするのは初めてとなるそうだ。補正予算案の内訳は、米軍の派遣や兵器の費用、当面の戦後
復興費用に計約600億ドル。イスラエルなど周辺国への支援や、米国内のテロ対策費などとして、200億ドル程度が計上
される見込みという。戦争には特需がつきもので、ミサイルを製造している工場は、今頃フル回転だろう。以前、工場で
バイトをした経験がある私は、恐ろしいほどにハイピッチな作業や、緊迫した雰囲気が想像できる。きっとこの戦争によって、
潤った企業の中には、工員に臨時ボーナスを出す所もあるだろうなぁ。それによって、ローンが払えたり、家を建て替えら
れたり、子供が学校に入れたり、新車が買えたりetc. 個々に喜んでる人を、私は責められない。まずは、生きていかなけ
ればならない現実があるからだ。私の周りには軍関係を始め、軍事産業に関わっている人はいない。だがしかし、そういう
恩恵を自分が受けたら、果たして「戦争反対!」と思えるだろうか? ミサイルを増産したら、給料が倍になると言われたら?
特需をありがたいと思って、ますます仕事に精を出してしまうかもしれない。何度も言うが、私は戦争は大反対だし、独裁
者も大嫌いだ! この時期、「普通」という言葉の意味を、色々と考えさせられている。腰痛のない私の普通の生活、戦争
のない普通の生活etc. 「いつの時代でも、戦争が始まると、一番最初に姿を消すのは『真実』です」と外国人記者がリポ
ートしていて、なるほど名言だと思った。私はこの戦争及び反戦等も含めて、どう考えるのだろう? 何を感じるんだろう?
どんな事を学ぶんだろう? 一つ言えるのは、たとえ何が正しくて、何が悪いのか、わからなくなったとしても、自分の思考
を停止させてはならないという事だ。昼間、ラジオを聴いてたら、ボブ・ディランの名曲「風に吹かれて」が流れていた。
あとどれくらいミサイルが落ちたら、戦争は終わるのだろう? 真実はどこにあるのだろう? 人はどこに向かうのだろう?
答えは、全て風の中・・・
♪今日のラララ~ン♪ 床に落ちている洋服を、何の痛みもなく、楽々と拾い上げ、ハンガーに吊るす。こんな普通の動作が、ひたすらありがたい。