封印された日本のタブー「おじろく・おばさ」前篇
長男以外の人間は、結婚もできず、世間との交流すら許されず、
死ぬまで家のために奴隷の如く働かされる。一体、いつの時代の、
どこの国の話だと思われるかもしれないが、これは日本に20世紀
まで実在した「おじろく(男)・おばさ(女)」という、全く人権を無視
した神原村の奇習なのだ。
http://news.nicovideo.jp/watch/nw808992
16~17世紀頃から始まったとされる「おじろく・おばさ」制度だが、
もちろん今、長野県神原村(現・下伊那郡天龍村神原)では、この
ような制度は存在しない。
ただ明治5年でも190人、昭和40年代に入っても、3人のおじろく・
おばさが生きていたというから驚きだ! これこそ封印された日本
のタブーであり、昔の日本が良かったなんて、そんな簡単に言え
ないと痛感させられた。
1964年「精神医学」6月号で、精神科医・近藤廉治氏が男性2人、
女性1人のおじろく・おばさを取材し、彼らの精神状態を診断して
いる。普段の彼らに、いくら話しかけても無視されるので、催眠鎮
静剤アミタールを投与して面接を行ったそうだ。
すると、固く無表情だった顔が徐々に柔らかくなり、ぽつりぽつりと
質問に答えるようになったという。「他家へ行くのは嫌いであった。
親しくもならなかった。話も別にしなかった。
面白い事、楽しい思い出もなかった」「人に会うのは嫌だ。話しかけ
られるのも嫌だ。私は馬鹿だから」「自分の家が一番良い。よそへ
行っても何もできない。働いてばかりいて、馬鹿らしいとは思わな
いし、不平もない」
何事にも無関心で感情が鈍く、自発性がなくなった様子が浮かん
でくるが、これこそマインド・コントロールだ。先に空庵のfacebook
ページに、この記事をUPしたのだが、自分もそんな扱いをされて
いたような気がするというMailを頂いた。ありがとうございます。
家庭は密室のため、何が行われているかは、外からは全く窺い
知れない。家族はいても、家庭のない人がたくさんいる。家族
は目に見えるが、家庭は目に見えない。
住むハウスはあっても、憩うホームがない。住む家がないのは、
ハウスレスだが、ホームレスというのは、家族や友人などの人間
関係の繋がりが失われている。
野宿の人達は、ハウスレス兼ホームレスであり、この2つの困窮
を抱えている人達なのだ。マイ・スイート・ホームとは言うが、マイ・
スイート・ハウスとは言わないのはそのためだ。