最悪の事を最善の事として生かす/大塚全教さん

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大石順教先生は毎朝必ず、口に筆を加えて、
2時間ほど絵をお描きになり、それは一年を通じて、
一日もお休みになられませんでした。

先生が絵や書を描かれるための準備をする仕事を頂きました。
毎回、順教先生のおそばで墨をすり、
絵の具を溶き、紙を並べるのですが、
精神を統一されて、無心の境地で絵をお描きになるお姿は、
まるで観音様でした。

順教先生は、よくこうおっしゃいました。

「真実の苦労は、人に話す事のできるものではない。
人にも話せず、死ぬ事もできず、
前にも後ろにも進めない。じっとしているより他はない。
それが真実の苦労だ。

けれども、そんな苦労の中にあっても、
決して物事を悪く思ってはならない。

その中からどうやって、良い方へ道を開いていくかで、
その人の人生は決まるのだ」

そして、毎日のように
「自分の一番悪い所を良くしていくように」
とおっしゃられました。

私であれば、体の不自由な事を最良の事として、
生かしていくという事です。

最悪を最善にして生きられた方が、
順教先生なんですね。

大石順教先生は、ご自分の腕を切り落とした
養父・中川万次郎のお位牌をお祀りしておいででした。

恨んでも恨んでも余りある人のお位牌をお祀りし、
年忌毎のご法要を済まされ、五十回忌の法要まで全部
済まされたんです。

人を恨む気持ちを、逆に良い方へ転換された
先生のお心を拝まなければなりません。

最悪の状態の中の仏心、これが真実の仏心です。

この仏心によって、先生のお命は平安を得て、
生かされたのだと思えてなりません。

また、先生が日本画家のご主人と結婚され、
3児をもうけられた頃は生活が苦しくて、
家賃を何ヶ月も滞納し、一枚の着替えも持たず、
明日炊くお米もないという貧乏を味わったそうです。

ご主人が文展に入賞するまでの十数年間は、
寝る時間も惜しんで、更紗帯の図柄を
口で描いて家計を支えたそうですが、
ご主人が世に出て、ようやく
その苦労も報われるかに思えた時に、
今度はご主人が他の女性に心を移されて、
結局、離婚という事になりました。

その時のご心痛は、察して余りあるものがありますが、
その辛い時期の事を先生はこうおっしゃられました。

「もし私に両手があれば、相手の女の人を恨み、
罵り、口論の末に悲しい結末になったでしょう。
私に両手が無かったために耐えられたのです。
そして、美しい別れができたのです」

両手が無いという事を、
むしろ強さと考えていらしたんですね。

最悪の時に人を羨む事なく、
それをむしろ良い方面で捉え、
自分の強さにしてしまう。

これが先生の生きる源だったのでしょう。
そして、先生はこれを実行してこられたんですね。

/大塚 全教(無心庵 この花会)
 「致知」2007年7月号 特集「涙を流す」より
 http://www.chichi.co.jp/

10月3連休の土日、事務所の外がやたら騒がしく、盆踊り並みの音量なので一体、何なんだろう?と思っていたら、池袋西口駅前広場をメイン会場として、豊島区内9ヶ所において、「東京よさこいコンテスト」が行われていたのだ。今年で第11回、北は北海道から、南は高知県までの113チームが集結。池袋西口の5会場、東口1会場、目白、大塚、巣鴨の各JR駅前会場において、華やかな演舞の競演が繰り広げられた。ずいぶん大々的だったのね。巣鴨は商店街に活気があり、“おばあちゃんの原宿”で、観光地としての集客力がある。そして何より、巣鴨は「とげぬき地蔵尊」を中心に成り立っているので、結束力も強い。とても護られてる街だと思う。やっぱ神仏のパワーは絶大だね。

ナマ拳、その他のスケジュールはこちら

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