お母さんの夢
小学1年生の〇〇君は、お母さんに聞きました。
「お母さん、小さい頃、何になりたかった?」
すると、お母さんは答えました。
「色々なものになりたかったのよ。
おつかいでクリーニング屋さんに行くと、
クリーニング屋さんになりたいと思ったの。
学校で勉強が楽しいと、
先生になりたいと思ったの。
遠足で素敵なバスガイドさんを見れば、
バスガイドさんになりたいと思ったの。
家族でレストランへ行けば、
ウェイトレスさんになりたいと思ったよ」
「ふーん。じゃあ、お母さんの夢は叶わなかったんだね」
子供からそう言われると、
普通のお母さんならちょっと腹を立てて、言うかもしれません。
「そうよ、お母さんはあなた達を育てるために、
夢をみんな犠牲にしたのよ」
でも、そう言われて、
心から喜べる子供はまずいないでしょう。
〇〇君のお母さんは違いました。
「じゃあ、お母さんの夢は叶わなかったんだね」
その言葉を聞くと、
お母さんは首を横に振りました。
「うぅん、全部、叶ったよ」
「えっ! どうして?」
〇〇君は、ビックリしました。
「だって、
お父さんのYシャツにアイロンを当てる時には、
クリーニング屋さんになった気がするし、
〇〇君に勉強を教えている時は、
学校の先生になった気がするし、
お父さんの車に乗れば、お母さんはバスガイド。
それに、みんなに食事を出す時は、
ウェイトレスさんになった気分よ」
お母さんはニコニコしながら言いました。
〇〇君は、そんなお母さんを見て、
大人っていいなって思うのでした。
/中井 俊已(作家)
出典:「子供を変えた“親の一言”作文25選(明治図書刊)」の中の小学1年生の作文より
♪「やわらぎの湯」では、食事は朝夕ともバイキングで、その数20種類以上! おばんざいといった感じで、どれもおいしい。夕食には刺身が付いたが、基本的に肉はないので、餃子の中身も野菜のみ。ほんの少しずつ取ったつもりが、最後には増えに増え、結局・・・完食(笑)