巨匠・手塚治虫
映画「カッコーの巣の上で」のストーリーとは・・・
刑務所の強制労働を逃れるために、精神病患者を装ってオレゴンの精神病院
に入所させられたマクマーフィー(ジャック・ニコルソン)は、そこで規律正しい
生活を送らせる事が何よりの治療だと、厳しい態度で接している看護婦長
ラチェットの言いなりに管理された患者の無気力さに腹立たしさを覚える。
婦長達に睨まれつつも、バスを奪って患者達を外界に導いたり、女性を病院
に引き入れたりと、次第に患者達に明るさと自主性を取り戻させていくが・・・
耳も聞こえず言葉も喋れないというのは嘘で、実際にはそんな事のない大男
のインディアンのチーフは、マクマフィーを通して心を開いていく。チーフと一緒
に逃げると約束したマクマフィーだが、反抗が過ぎるマクマフィーは病院の手
によって、ついに本当に患者にされてしまう。
チーフは元気で指導的役割だったマクマフィーのそんな姿に耐えきれず、枕を
押し付けマクマフィーを殺してしまう。このチーフの行為は、「人間らしさのない
生ならば、存在する意味がない」というBJの考えに似ていないだろうか。
映画のラストシーンでは、チーフが以前、マクマフィーが試してみて無理だった
重いコンクリートを持ち上げ、それを窓に投げつける。そして、1人走り去って
行く・・・ このシーンは今でも目に焼きついている。
人間の何が正常で何が異常なのか、その線引きはどこでするのか、誰がする
のか? 「カッコーの巣の上で」は私にとって、それはそれはショッキングな映
画で二度は見られない。ギュンター・グラス原作「ブリキの太鼓」も然り。
BJを始め、ブッダ、火の鳥、どろろetc. 巨匠・手塚治虫の作品は本当に深い。
今後、時間をかけて読破しようと思う。
♪豊洲の映画の帰り、ふと見上げれば雲一つない夜空に輝く満月。それはそれは美しかった・・・