煙霧
午後から急に天候が変わり、狂風(←この字の方が伝わるよね)が
吹き始めた日があった。私は昔から空を見上げる事が大好きで、
特に天候の変わり目の空模様は、いつも興味をそそられる。
その時見た光景は、空がアイボリーだったが、雨の降る気配は
ない。明るいような暗いような、何とも不思議な空で、ユトリロの
絵にこんな背景があったような。
その夜、ニュースでこの現象が「煙霧(えんむ)」と呼ばれる事
を知った。フリー百科事典「Wikipedia(ウィキペディア)」によれば、
煙霧とは目に見えないほど、小さい乾いた固体の微粒子(エーロ
ゾル)が空気中に浮いていて、視程が妨げられている現象の事。
霧が混じっている時は、霧として扱われる。そのため煙霧と
して扱われる場合には、湿度が低い場合が多い。
風によって地面から巻き上げられた塵や砂埃が、風が止ん
だ後も空気中に浮いていて、視程が妨げられている現象は
「塵煙霧(ちりえんむ)」と呼ばれて区別される。
天気観測では、黄砂などにより視界が10キロ未満となり、
雲の状態(晴れているのか雲が出ているのか)がわからな
い場合、その時の天気を「煙霧」として報告するのだそうな。
やはり、通常の天候ではなかったんだ!
私は常々、今度生まれ変わったら、人間ではなく雲に生ま
れ変わりたいと思っている。とはいえ、来世も課題超満載
の私は、またもや人間に生まれ変わってしまうのだが・・・
月の光に生まれ変わりたいと考えた事もあったが、やはり
雲だろっ、雲(笑)。住む所は世界中の空。
San Diegoから帰国する前日、記念にフランス人の友達
Nadineと一緒に気球に乗った。四方八方に雲しか見え
なくなった時、私は今、天国に来ていて、白い髭を生や
した神様とご対~面しそうな気がした。
あの鳥肌モンの瞬間は忘れられず、私の人生のベスト3
に入るほどの至福の体験だった。ほんの数秒でつけた
「空庵」や「未空」という名前には、「空」が入っていた。
よっぽど好きなんだねぇ、あたしゃ(笑)。心中するなら、
「空」とだね。