「戦略」という言葉の本当の意味
戦略思考の「副産物」
若き日に、
一人のプロフェッショナルと巡り会い、
戦略思考の鍛え方について学びました。
戦略思考を鍛えたいならば、
その戦略的状況を、
瞬間的に視点を移し
反対側から見る訓練を
するとよい。
将棋盤に喩えて言えば、
その将棋盤を180度回し、
相手の立場から盤面を見る訓練を
するとよい。
この先達の教えに従い、
それからの永い年月、
戦略思考の修練をしてきました。
そして、瞬間的な視点の転換を
大切な心構えとして実践し、
道を歩んできました。
その結果、視点の転換という戦略思考の要諦は、
身体的な智恵として身につけることができましたが、
一つ、不思議なことが起こりました。
相手の立場に立って、
その戦略思考を読む。
その修練をしていると、副産物のごとく
自然に身についた力があったのです。
相手の立場に立って、
その心境を思いやる。
そして、その力を身につけたとき、
戦略思考の本当の意味が、見えてきたのです。
「戦略」と書いて、
「戦いを略(はぶく)」と読む。
/柳瀬 勲
♪浅草・酉の市に向かうおばあちゃん2人が、仲良く手をつないで歩いていた。これこそが、人と人との原点だと思う。戦略の極意が、この風景に凝縮されている。