亢龍有悔(こうりゅうくいあり)
著者の易経研究家である竹村亞希子先生は、「リーダーだけでなく、
全ての人の人生は、段階を追って成長していく龍」と言っている。
周易の第一卦「乾為天(けんいてん)」は、強健、充実の頂点といった
意味だが、それぞれの卦辞(けじ)を読み進めていくと、非常に興味深い。
・初爻(しょこう)<潜龍>
うまくいかない時。思い通りに事が運ばない時。焦る事はない。「待つ心」
が重要。
・二爻<見龍>
憧れを持つ。師匠との出会い。目標を掲げる。未来にボールを投げる。
・三爻<君子終日乾乾:くんし しゅうじつ けんけん>
終日努力し、夜に怖れるが如く反省する。継続は力なり。同じ事を
毎日繰り返す。
・四爻<躍龍>
チャレンジ、挑戦。大きく飛躍するためのタイミングを見計らう。
・五爻<飛龍>
「万物、皆、師匠」の心を忘れない。周囲に対する感謝の気持ち。
・上爻(じょうこう)<亢龍>
登りつめた龍は降りるしかない。引き際の美学を心得る。引き際を
間違えると後悔。
五爻の飛龍まではわかりやすいが、問題は上爻の亢龍だろう。経営者、
政治家など、いつの時代も引き際が最も難しいのだろう。易経を読んで
いると、いつになっても人間の根本は変わらないなぁと思う。
竹村亞希子先生の「人生に生かす易経」は、難解と言われる易経を
とてもわかりやすく解説されている秀逸な本だ。私が2010年に読んだ
本の中で、おそらくベスト1だと思うが、噛めば噛むほど味が出る「スル
メ本」になるコト、間違いなし。一生、そばに置いて、易経を学び、そして
ココロで感じ続けたいと思う。
竹村亞希子先生、素晴らしい本をありがとうございました!
2012 年 6 月 22 日 at 12:26 AM
竹村亞希子です。
ご紹介ありがとうございます。
とても嬉しく、光栄です。
今後ともよろしくお願い致します。
2012 年 6 月 22 日 at 10:35 PM
こんにちは。初めまして。竹村先生、ご本人様でいらっしゃいますか?
大変ビックリ致しましたが、コメントありがとうございます。
こちらこそとても光栄です。「人生に生かす易経」は何度も
読み返している、私にとっては教科書のようなものです。
「萌しと兆し」のお話は、とても勉強になりました。
いつか竹村先生とお会いしたいと思っておりますので、これをご縁に、
今後ともよろしくお願い申し上げます。ありがとうございました。